解決事例(債務整理)
解決事例(債務整理)5:任意整理(保証債務額の減額)
解決事例(債務整理)
■依頼者 40代 会社員
■相談内容
父が親戚の連帯保証人になっていて,父が亡くなった。
その連帯保証債務を法定相続割合で取得し,自分の保証債務は約600万円である。
主債務者(借金をした人)と連帯保証人である父が支払わなかったことから,30年前に支払督促を申し立てられたようだが,時効にはならないか。仮に時効にならない場合,600万円もの金額は支払えず,このままだと破産も視野に入れなければならないか。
■結果
消滅時効の援用通知を出したが,時効中断事由があり時効は完成していなかった。
しかし,約600万円の債務を約100万円にまで減額する内容で和解ができ,破産等の法的処理をする必要はなくなった。
■コメント
本件では,30年前に支払督促を申し立てられ,その後裁判等はないとのことでしたので,消滅時効の援用を考えました。支払督促というのは簡単な裁判所での手続きで強制執行ができるお墨付きをもらえるもので,支払督促が確定すれば,消滅時効も5年から10年に延長されるものです。10年に時効が延びても本件ではすでに30年も経っていますから,十分時効も考えられます。
そこで消滅時効の援用通知を債権者宛に出しましたが,どうも主債務者が少しずつ最近まで弁済していたようです。そうなると時効は中断され,時効は完成しないことになります。
やむなく債権者へ減額交渉をすることになりました。本人には600万円を支払える能力がないこと,場合によっては破産せざるをえないかもしれないこと,仮に個人再生手続を利用しても120万円位しか債権者には支払われないこと等を説明したところ,約500万円の減額を受け入れてもらえ,無事,和解ができました。