解決事例(債務整理)

解決事例(債務整理)1:破産(同時廃止)

解決事例(債務整理)

■依頼主 40代男性 会社員

■相談内容
自宅土地建物を購入した後,自分が自宅土地建物を出る形で家族と別居することになった。その後,離婚することになったが,自宅の住宅ローンの支払いは継続し,また,養育費の支払いを行うようになった。自らの家賃と住宅ローン,養育費の支払のため,徐々に支払いが追いつかなくなった。現状を何とかしたい。

■結果
負担となっている,自宅土地建物を売却したうえで,破産申立てを行った。代理人が間に入り,不動産を適正に売却したことで,費用として最低20万円を要する管財事件とはならず,同時廃止事件として処理することができた。

■コメント
個人破産事件には,その手続として,同時廃止事件と管財事件があります。前者は,代理人が就き,適正に必要書類を揃えたうえで申立てを行うことで,申立後の裁判所における手続を簡便に処理する手続です。他方,後者の管財事件は,裁判所において管財人を選任し,管財人による資産調査等を行う手続です。
両者の大きな違いは,①手続終了までの期間の長短と,②管財費用(最低20万円)の納付義務の有無です。
同時廃止はその名のとおり,申立て(正確には破産手続開始)と同時に手続を廃止(=終了)させるもので,最終的な目的となる免責決定(=借金を0にする決定)を得るまでの期間が,管財事件と比べて短くなります。
また,管財事件では,申立てにあたり,裁判所に対して最低20万円の管財予納金を納付しなければなりませんが,同時廃止事件ではこれが必要ありません。
したがって,個人破産事件では,基本的に同時廃止事件を目指して処理していくことになります。裁判所に,この同時廃止事件として扱ってもらうためには,第一の条件として弁護士が申立代理人として就いていることが必要になります。その他にも,一定額以上の資産や換価可能な財産を所有していたり,免責許可にあたって問題となる点があったりする場合は,管財事件になります。
本件では,自宅不動産を所有したために,そのまま申立てを行えば,換価可能な資産があるということで管財事件になるケースでしたが,申立てにあたっての準備として,前もって適正に売却手続をとったことで,同時廃止事件として扱ってもらうことができました。