解決事例(刑事・少年事件)

解決事例(刑事事件)4:家族への暴行

解決事例(刑事・少年事件)

■依頼主:男性

■相談内容
家族に暴行して、逮捕された。お酒の勢いもあったのだが、家族に謝罪をしたい。何とか釈放されないか。

■結果
依頼者は、今後家族に暴力を振るわないことを家族に約束し、家族も依頼者を宥恕する(許す)内容の合意書(示談書)を作成。家族から被害届けの取下書にサインをいただき、検察官に身柄釈放と不起訴処分をお願いする意見書を提出したところ、無事、釈放されて不起訴となった。

■コメント
家族間で脅迫あるいは暴行があったとしても、家族ということで被害を申告せず、刑事事件とならない場合もありますが、家族間で刑事事件に発展することも少なからずあります。本件では、家族を殴った暴行事件でありますが、たとえば、包丁を持って家族を脅していれば、暴力行為等の処罰に関する法律違反に問われるケースもあります。
窃盗罪や横領罪等の財産に関する犯罪については、夫婦間あるいは親子間では処罰できないことになっていますが、暴行や脅迫等、人の身体に対する安全や人の意思決定を脅かす犯罪については、家族であっても処罰されることがあります。
親子の場合、法律上、縁は切れませんし、夫婦の場合でも、今後も同居していかなければならない場合もありますので、この事件を機にどのような話し合いが持てるのかが重要だと思います。
本件では、家族に対して誠意をもって反省文を書きました。また、一般的には弁護人が入れば、被害者は被疑者と直接話さないと思いますが、家族の場合は、直接当事者同士が話し合ったほうがよい場合もあります。本件でも、家族と依頼者が直接会って、よく話し合いました。
その結果、今回に限り家族も依頼者を許すということになり、今後一切家族に暴力を振るわない旨の合意書を作成しました。家族ですし、合意書という堅苦しい文書作成がどうなのかという問題はありますが、依頼者に反省してもらうよい機会にもなりますし、検察官に不起訴にしてもらう一つの材料にもなりますので、合意書を作成することにしました。